ラリー北海道の国際部門はアジアカップだけでなく、JSR、日本スーパーラリーシリーズの最終戦でもあります。
スノーラリーであるインターナショナルラリーオブ嬬恋、同じく群馬県嬬恋村で今年はアジアカップ初戦として開催、荒い路面がタフなグラベルだったモントレー、今年から全日本ラリー選手権となった秋田の横手ラリーと3戦を終え、総合のポイントスタンディングスの首位は、1戦目の嬬恋で満身創痍ながらも見事に優勝を飾った青山康選手。しかしながら、2位にはわずか1ポイント差でマイケル・ヤング選手が続きます。海外選手とはいえラリー北海道は毎年参戦しており、ヤング選手にとっては走り慣れた道。今回投入されるC-HRのパフォーマンスはまだ謎。青山選手は今回は伊勢谷選手とのコンビですが、ヤング選手もいつものリード選手に代えてマクニール選手とのコンビで、この1ポイント差の争いは面白い展開になりそうですね。
コドライバーに目を転じると、1戦・3戦と青山選手と組んだ竹下選手は2戦目は大竹選手のコドライバーを務めたため、ドライバーの順とは逆に、ヤング選手のコドライバーを務めたマルコム・リード選手が1位。しかし、ご存知の通りリード選手はシリーズ参戦しているオーストラリアのARC参戦のため今回は欠場、74ポイントで今シーズンは終了となります。2位の竹下選手は63ポイント。しかし竹下選手は2WDの大竹選手とのコンビで参戦しており、ハイパワー4WD勢を押しのけての上位入賞は簡単ではありません。竹下選手は1位まであと11ポイント、しかし完走で最低でも13ポイント(総合5位+レグポイント5位)入るため、完走すればリード選手のポイントをしのぐことになります。
つまり、大竹・竹下組が完走すれば竹下選手がシリーズチャンピオン、完走できない場合はチャンピオンはリード選手となります。
2WD部門を見てみましょう。ドライバーは1位が川名選手(31ポイント)、2位がコバライネン選手(25ポイント)ですが、いずれも今回は参戦していません。小濱選手が20ポイントで3位につけており、今回のエントリーは小濱選手と大竹選手の2名のみ。大竹選手はポイントを持っていない状況です。
小濱選手が完走すれば、最低でも24ポイント追加となり合計44ポイント。大竹選手は最大でも32ポイントまでしか獲得できないため、完走を以って小濱選手がシリーズチャンピオンとなります。逆に完走できなかった場合は大竹選手が1位となり、仮にレグポイントを落としたとしても31ポイントで川名選手に並び、満点ならば単独でシリーズチャンピオンとなります。このため、両者ともこのハードなラリーをとにかく完走しなければなりません。
コドライバーに関しても、藤田選手は20ポイント、竹下選手は2WD部門では0ポイントからのスタートとなり、ドライバーと全く同じことが言えます。
プロダクション部門はドライバー1位の青山選手は90ポイント、2位の小西選手に58ポイント差をつけており、すでにシリーズチャンピオンを決めています。コドライバーの竹下選手は71ポイントですが、2位の謝選手との差は39ポイントあり、こちらもシリーズチャンピオンが確定しています。
青山選手、竹下選手、今回は違う車で違うクラスで戦いますが、それぞれが2冠を賭けてのラリーとなります。