Asia Cup 注目の選手

2019-09-12

ラリー北海道はご存知の通り、国際部門と国内部門の2つに分かれています。国際部門はFIA APRC Asia Cupの第3戦、Japan Super Rally Series (JSR)の第4戦として開催されます。今日は最上位格式であるFIA Aia Cupのここまでのポイントスタンディングス(ポイント順位)から、今回エントリーしている選手に注目してみましょう。
ラリー北海道の国際格式と言えば、毎年続いてきたAPRCすなわちアジアパシフィックラリー選手権。FIAのラリーとして最高峰であるWRCの次に格式が高いのが地域選手権で、日本の属するアジア太平洋地域の地域選手権としてはAPRCが設けられています。昨年まではニュージーランドを皮切りに、オーストラリア、マレーシア、日本などアジア太平洋の各国を転戦し、積み重ねたポイントの最も多い選手がチャンピオンとなる形式(全日本ラリー選手権と似ていますね)であったのですが、今年から大きく形式が変わり、

太平洋地区4戦(NZ2戦、オーストラリア2戦)あるいはアジア地区4戦(日本2戦、インドネシア1戦、中国1戦)のうち、それぞれの地区内で2戦以上参戦した選手にファイナルへの出場権が与えられ、中国で行われるファイナル1戦の結果にてチャンピオンを決める形になりました。このため、APRCのポイントスタンディングスは存在していません。ちなみに太平洋地区4戦での優勝者を決めるパシフィック・カップは、先ごろ行われたEureka RallyでWRCドライバーのヘイデン・パッドン選手が優勝を決めています。
アジアカップは4戦のうち2戦を終えていますが、1戦が日本(モントレー)、もう1戦がインドネシア(メダン)であり、両方のラウンドに出場した選手はいません。このため、モントレーのAPRC部門の優勝ドライバーの川名選手とメダンの優勝ドライバーのVariza選手が38ポイントで同率1位、次いでモントレー2位の増村選手と同じくメダン2位のDjan選手が29ポイントで並び3位となっています。その後を追いかけるのが、マシンのダメージをものともせずモントレーのAPRC部門で3位に輝いたMike Young選手の26ポイント、後輪駆動のトヨタ86で悪路を見事に走り切った小濱選手の21ポイントとなっています。
今回は川名選手がエントリーしておらず、Variza選手もDjan選手もエントリーしていないことから、2戦目となる増村選手が有利となりますが、ポイント差が大きくないYoung選手や小濱選手の可能性も少なくありません。モントレーで0ポイントに終わった青木選手や大竹選手も、中国の参戦を仮定すれば、距離が長く「何が起こるかわからない」ラリー北海道の結果次第では4戦トータルで上位に躍り出る可能性もあります。
同じことが竹原選手、藤田選手、池田選手、竹下選手らのコドライバー陣にも言えますが、今回Mike Young選手はレギュラーのコドライバーであるMalcolm Read選手がオーストラリア国内選手権参戦のため欠席しており、かつてGaurav Gill選手のコドライバーとしてラリー北海道の経験も豊富なGlenn Macneall選手を迎えています。Read選手が現在26ポイントを保有した状態で今回はポイント獲得がなく、かつ上位フィニッシュの可能性の高いYoung選手のコドライバーが今季初参戦(現在0ポイント)であることから、Young/Macneall組の順位によってはコドライバーのポイントスタンディングスに大きく影響を与えそうです。
難易度の高いステージが多く、リエゾンも長いため、ステージを走り終えても「サービスに戻ってくること」が時には難しくなるほどのラリー北海道。天候の要素もあり、要は「やってみるまでわからない」という結論になってしまうのですが、さて、みなさんは誰を応援しますか?

FIA APRCポイントスタンディングス


(c) 2013 Rally Hokkaido.